モモの片づけブログ

オンライン専門片づけガイド&サポーター、モモのブログです。2019年から、南紀にⅠターン。

【保存記事】片づけの7つの段階

片づけたいと思ったら、

 『どこまで片づけたいか』

 考えなければいけません。

 

ところが「理想の片付いた部屋」を、

具体的にイメージするのはむずかしいようです。

 

原因は色々ありますが、ひとつには、

 「片づいている家の暮らしをイメージできないから」

 というのがあるようです。

 

そこで、イメージしていただけるように、

家の片づけの状態を、7段階に分類してみました。

 

現在地と目標を知ることで、片づけはぐっとスムーズになります。


ご自分の家はどの段階なのか?

どのレベルまで行きたいか?

チェックしてみてくださいね。

 

 

 

汚部屋・汚屋敷レベル

 

【状態】

・モノが床面積だけでなく体積も占有(70〜90パーセント).

・モノが積まれすぎて、進入できない部屋が数部屋ある。

・生活空間としての役割が崩壊している

・平面がほぼ存在しない

 

【行動】

・来客はほぼ来ない。(呼べない)

・換気・掃除は基本的にできない。

・炊事・掃除・洗濯がどのレベルかは不明。

 

【影響】

・近隣住民に迷惑をかけるレベル(例として)

・「家にあるものはすべて資源」

・被害妄想が強く、非常に頑固。

・対人関係、家族関係は断絶しがち。

 

 【総評】

この段階の方は、いわば汚部屋といわれるレベルです。

家はモノを詰め込むだけの場所と化しており、生活空間として、各部屋の役割は崩壊していることでしょう。

残念ながら、私はこのレベルのお家にうかがったことがありません。

いくつかの書籍や漫画で、汚部屋の実態や、住む人の精神状態がレポートされています。

近年、名古屋市内の方が、傷害事件を起こされました。

市内ではゴミ屋敷として有名で、家からあふれたゴミが、道路にまで侵食していたそうです。

それを処分しようとしたN POの方との間で起こったとのこと。

書籍や体験談によると、

被害妄想が強く、非常に頑固で、自己を客観視できず、

その結果、対人関係だけでなく、

家族との関係にも支障をきたしてることが多いようです。

 

基本的に、このレベルの方は、このままでいいと思っています。

『ゴミじゃない、すべて資源』と思っているため、

他者からの働きかけでこのレベルから脱出するのはむずかしいです。

「片付けたい」と思い、誰かの力を借りられる時点で、

このレベルから脱出している、と言えるかもしれません。

 

重度モノ肥満レベル

 

【状態】

・最低限の生活空間は確保

モノの床面積占有率は、50〜70パーセントほど。

物置部屋とよばれる進入不可の部屋が1、2ある

・テーブルやソファに物が積み上がっている。

 

【行動】

・衣食住は行えるが、多大な労力がかかる

・探し物・なくし物が当たり前。

・在庫やよく使うモノが見つからないため、買うことが多い

・来客が来たときは、物置部屋にモノをつめこむ。

 ・収納場所に入っている物を思い出せない。

 

【影響】

・片づけのことをわすれるために、夢見がち。

・体調や精神状態を崩しやすい。

・趣味にハマりやすい。

・自責感や自己肯定感が低いことが多い。

・自分よりも他人のことを優先しがち。

・おおらかで優しく、イヤと言えない性格のことが多い。

 

 

【総評】

このレベルは、まだ片づけることができるレベルです。

医療にたとえるなら、治療可能なレベルと言えましょう。

 

散らかっている家をなんとかしなければ、と思い続けていますが、

困難な作業であるため、現実逃避しがち。

 

趣味やスピリチュアルに、ハマりやすいケースもあります。

そういった意味で、才能を持つ人が多いレベルなのですが、

多くの場合、部屋が足をひっぱり、才能の発揮や夢の実現を妨げています。

 

うつ状態の人と部屋の散らかりとの関連性がよく語られていますが、

このレベルで生活することは、住む人に、

社会的・精神的に多大な負担がかかりつづけます。

 

 

自覚をもった時点で、一刻もはやく、

信頼できる片づけのプロのサポートを受けてほしいレベルです。

 

 

 

中度モノ肥満レベル

 

【状態】
・モノの床面積占有率は、30〜50パーセントほど。
・収納場所にモノがギッシリ詰まっている。

・ソファやテーブルがモノで半分埋まっている。
・収納家具・収納用品が多い。
・モノの定位置が決まっていない。
・しまい込むと忘れてしまうため、出しっぱなしになっていることが多い。

【行動】
・なくし物・忘れ物が増える。
・料理、洗濯、睡眠など、最低限の家事は回せている。
・日々の準備に多大な時間がかかる。
・家にいるのがイヤで、外出しがち。


【影響】
・片づいていない自分を責める気持ちが、とても強い。
・自己評価が低い

・罪悪感を抱えて行動しがち。

・家族からも責められていると感じている。

 

【総評】

 

このレベルの方は、重度モノ肥満レベルにくらべ、

衣食住の生活が、比較的きちんと回っていることが多いです。

 


モノの定位置は収納場所にモノが詰まっているため、決まっておらず、
家の中で、あちらこちらに置かれています。

そのため、失し物や忘れ物が頻発します。

 

 

押入れやクローゼットや、収納家具には、
使わないものがギッシリとつめこまれています。

何が入っているのか、忘れている場合も多いです。

 

「ないと思って買ったけど出てきた」ということが度々あるようなら、

このレベルかもしれません。

 

このレベルの方は、

仕事ができる方のことが多いのですが、

おおらかで優しく、

イヤといえない性格のことが多いです。

 

人の良さが災いして、

家に入ってくるモノの量をセーブできていません。

 

『片づけなきゃいけない』という思いが強く、

自分を責める気持ち、家族への申し訳なさを、つねに感じています。

 

そのため、本当にやりたいことやチャレンジしたいことに、

自分で制限をかけているのが、

特徴と言えるかもしれません。

 

 

 

軽度モノ肥満レベル

【状態】

【行動】

【影響】

【総評】

 

 


このレベルでも、モノが床やテーブルにあふれています。
しかし、収納スペースが多少なりとも機能しているという点が、重度・中度のモノ肥満レベルとちがいます。


たとえば、服はクローゼットやタンスに収められています。キッチンでも、鍋や食器はシンク下や食器棚に収められています。

モノの定位置がある程度決まっているので、探し物はそこまで多くはありません。

しかし、まだまだモノは多く、適正量とはいいがたいため、後片付けや掃除に非常に時間がかかります。

収納スペースの場所や収納も適切でないため、リビングやキッチンなどの使用頻度の高いスペースに、便利だからといってモノが集まり、出しっぱなしになりがちです。

また、片づけや掃除の習慣化していないために、散らかってしまうパターンや、家具・収納用品が適切でないために、散らかってしまうパターンもあります。

参考画像は、重度モノ肥満レベルを脱し、軽度モノ肥満レベルまで改善した方のお宅です。「我が家もこんな感じ!」という方も、多いのではないでしょうか。

リビングやキッチンに雑然とした雰囲気があり、いったんモノを収めてみるものの、スッキリとした感覚はありません。散らかっている部屋からストレスを感じているため、何度も片づけにチャレンジしては、リバウンドしているレベルでもあります。
ただし、重度モノ肥満レベルのように、あきらめの感情が強いわけではありません。

もっとも片付けに意欲的なレベル、ということができるでしょう。

自分に合った片づけ本に出会い、独学で片づけることができるのも、このレベルの方が多いです。(ただし、このレベルの方がこんまりさん流の片づけをする場合は、プロのサポートをお勧めします。)

このレベルの方は、45ℓゴミ袋に換算して30個~50個ほど出せば、標準レベル~7割収納レベルに到達します。

 

  • モノの床面積占有率は、10〜30パーセントほど。
  • 収納場所を使いこなせていない
  • モノの定位置は比較的決まっている。
  • 掃除の頻度も1ヶ月〜1週間。
  • 見た目がごちゃっとしていることにストレスを感じている。

標準片づけレベル

【状態】
【行動】
【影響】
【総評】

 

このレベル以上が、標準的に快適に過ごせるレベルです。
床には起きっぱなしのものはなく、テーブルの上は常に片付いています。
すべてのものに定位置が決まっており、収納場所に収まっています。

見た目はかなりスッキリしています。
つくりつけの収納場所は9割ほど使われており、本棚、タンスなど、収納家具もおかれていますが、動線を邪魔するほどではありません。

モノは厳選こそされていませんが、明らかに不要なものは発生するたびに処分されています。食器や調理器具、服やアクセサリーなども、使用頻度は低いけれど、気に入っているものは残してあります。

インテリアや四季折々の季節の飾りつけを楽しんでいる方も多いです。モノが豊かな生活を楽しんでいるレベル、ということができるでしょう。

後片づけや、使ったら元に戻す習慣化もできています。
掃除の頻度も高く、一週間に一回以上は掃除機をかけています。

維持・管理にそれなりの時間や手間がかかります。ゆえに、忙しくなり維持できる時間の余裕がなくなると、散らかり出すケースが多いです。

出産、育児、転居、転職、入院、介護など、ライフステージの変化に弱いレベルともいえるでしょう。

参考画像の方も、スッキリと使いやすくなったものの、「仕事が忙しくなると、散らかってしまった」と感想をいただきました。

 

  • モノの床面積占有率は、0〜10パーセントほど。
  • 床やテーブルの上にものがない。ルンバが使えるレベル。
  • すべてのモノに定位置が決まっている
  • リセット片づけ・掃除も一週間に一度以上
  • 収納占有率9割ほど。
  • 環境の変化で散らかることがある

7割収納レベル

【状態】
【行動】
【影響】
【総評】

 


このレベルから上が、リバウンドすることがありません。わずかな労力で美しい部屋を維持することができます。

 

見た目は、標準レベルと同じく、床もダイニングテーブルの上にもモノはありません。

違いは、収納を開けてみると差は歴然です。

 

モノの量が収納スペースの7割程度におさまっているため、ゆとりや隙間があるのです。 そのため、モノが出しやすくしまいやすくなっています。

 

モノが大好きなものと必要なものだけに厳選されているのです。

 

飾り付けやインテリア小物は、ピンポイントだけ。そのため、掃除がとてもしやすくなっています。 ほとんどのモノが収納されているため、見た目が非常にスッキリとしています。

維持・管理の労力が非常に少ないのが特徴。

7割収納とは、石阪京子先生が『奇跡の3日片づけ』『夢を叶える7割収納』で提唱したものです。


ミニマリストレベルと混同されることも多いですが、家族を犠牲にはしておらず、家族それぞれにスペースが適切にわりふられています。社会との関わり、家族との関わりにおいて、もっともバランスが良いレベルと言えるでしょう。


ただし、このレベルにいたるまでは、大きな勇気が必要です。

『大好きなもの、必要なもの』だけに厳選し、後のモノは処分しなくてはなりません。

そのため、片づけが大好きな人か、家事にかける手間を省きたい合理的な人か、
散らかっている家に心底うんざりして、なんとしても抜け出したいと強く決意した人が到達できるようです。

このレベルに到達する方法は、前にあげた石阪京子先生の著書2冊をぜひお読みいただきたいと思います。

画像は、静岡の片づけアドバイザー・松崎陽子さんからお借りしました。何度片づけてもリバウンドしていたのですが、一念発起、このレベルに到達し、片づけアドバイザーとして活躍もなさっています。

陽子さんのブログはこちら

  • モノの床面積占有率は、0〜10パーセントほど。
  • 床やテーブルの上にものがない。ルンバが使えるレベル。
  • すべてのモノに定位置が決まっている
  • リセット片づけは毎日、掃除も一週間に2、3度以上
  • 収納占有率7割。
  • モノは厳選したものだけ。
  • 家族や社会も大事にできるもっともバランスのとれたレベル

ミニマリストレベル

 

【状態】
【行動】
【影響】
【総評】

 

 

※画像はイメージです。

近年、片付いている人の代名詞としてもつかわれることの多い、ミニマリスト。


ミニマリストと称する方の部屋を実際に拝見したことはありません。

元祖ミニマリストであるゆるりまいさんのブログと、佐々木典士さん『僕たちにモノはもう必要ない』をはじめとした、ミニマリストの方の書籍やブログを参考にしてこの項目を書いていることを、ご承知おきください。

このレベルの家には、不要なモノは一切なく、必要最小限のものしかありません。大好きなモノすらないことも多いでしょう。

散らかそうにもモノがない。そんな空間です。

がらんとした空間は、 まるで禅寺のよう。

掃除をマメにしている方も多いようです。ミニマリストを称する方の部屋の画像からは、静謐で清らかな空気が漂ってくるかのようです。

断捨離や片づけの理想形のように思われていることもあります。

ただし、このレベルの家では、社会との折り合い、家族との折り合いが難しいといえます。なぜなら、このレベルの方は、モノを増やすことに対して、嫌悪感を持っていることが多いからです。


(ご家族それぞれが自室を好きな空間にしている、ゆるりまいさん宅はミニマリストレベルではなく、7割収納レベルではないか、というのが私の考えです)


片づけオーガナイザー吉島智美さんは、「ミニマリストはモノの拒食症」と言われました。

私もそれに同感です。

モノは、人の体でいうなら、脂肪のようなもの。特に女性のやわらかな体つき、肉体の美しさは、脂肪があってこそです。

心地よく、暮らしていて気持ちが良い部屋は、大好きなモノがあってこそ。

金銭的な問題の理由ではなく、必要最低限というのは、心のうるおいまでもそぎ落としてしまうのではないでしょうか。

  • モノの床面積占有率は限りなく0%に近い
  • テーブルがないこともある
  • 定位置を考えるほどモノがない
  • 収納占有率は20%?
  • 必要最低限のモノしかない
  • 家族との折り合いがむずかしいため子育てには向かない
  • モノがなさすぎるため、精神的・肉体的に耐性がなくなりやすい

まずは自分がどのレベルなのかを知ろう

さて、6つのレベルをあげましたが、いかがだったでしょうか。
冒頭にあげた通り、自宅がどのレベルの状態か、まず知ることが、大事です。

片付いている部屋、散らかっている部屋、それぞれです。
しかし、それはあなたの人格の評価ではありません。

自分が幸せを感じる家を目指そう

掃除や洗濯など、家事のしやすさや美しさで、6分類に分け、解説してみました。
どの部屋が最もいい、というわけではありません。

個人的には、7割収納レベル、標準レベルが健全な生活のためのレベルと思いますが、それがかならずしも正しいとはかぎりません。

片づけがこれだけ人気があるのも、家事がしやすく、清潔で、美しい家が、多くの人にとって幸せを感じられるからなのだと思います。
でも、すべての人にとって当てはまるかというと、そうではありません。
そもそも、家の心地よさが幸せにとって重要でない人も多いでしょう。

住む人にとって、毎日の生活が心地よく、幸せを感じられるように、それを支える土台であることが大事だと考えています。

この記事を読んでくださったあなたが、
片づけを通じて『自分にとって幸せを感じられる』環境を知るきっかけになったらこれ以上嬉しいことはありません。

それでは、良いお片づけを!

 

お礼と参考文献

この分類で役にたつのか?ということに悩み、思いついてから半年以上の月日が経ってしまいました。

これからも加筆・修正を加えて行きたいところが多すぎますが、ひとまずはこれで公開したいと思います。

レイアウトなども、読みやすいように今後修正していきたいと思います。

拙い記事ではありますが、書くにあたって多くの方に助けていただきました。

写真の使用をこころよく認めてくださった皆さま。誠実で丁寧なお人柄で信頼する片づけアドバイザー、松崎陽子さん。もっとも尊敬する片づけのプロである石阪京子先生。

心から感謝申し上げます!

 

読んでくださった方の片づけのお役に少しでも立てば、これほど嬉しいことはありません。

 

 

<参考文献一覧>

石阪 京子『奇跡の3日片づけ』講談社、
石阪 京子『夢をかなえる7割収納』講談社、
近藤 麻理恵『人生がときめく片づけの魔法』サンマーク出版
近藤 麻理恵『人生がときめく片づけの魔法2』サンマーク出版
吉島 智美 『「きれい」が続く片づけのアイディア テクニック 』日本文芸社
飯田史恵『[出し入れ]楽チン!クイック収納術 (PHPビジュアル実用BOOKS) 』PHP研究所
佐々木典士『ぼくたちに、もうモノは必要ない。 - 断捨離からミニマリストへ - 』ワニブックス
筆子『1週間で8割捨てる技術』KADOKAWA
ゆるりまい『わたしのウチには、なんにもない。 「物を捨てたい病」を発症し、今現在に至ります』
マガジンハウス 澤一良『整理収納アドバイザー公式テキスト 一番わかりやすい整理入門 【第3版】』ハウジングエージェンシー

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